自己破産件数
2009年の破産件数は、前年に比べ2.5%減の12万6265件で、2003年の24万2377人をピークに5年続いていた2桁の減少率がここにきて鈍化しました。これまで減少を続けてきた自己破産件数が増加に転じる気配を強めています。
過去数年間に自己破産が減少したひとつの理由としては、過払い金の請求が増加し、取り戻した過払い金で債務の返済に当てることができるため、自己破産をする必要がなくなったことが考えられます。過去の自己破産件数の減少は、単に多重債務者が減少したというわけではなく、消費者金融の積極的な貸付と、ここにきて過払い金請求を助長する法律家の動きが自己破産件数を一時的に抑制していることが要因と言えます。
しかし、この過払い金請求の普及により大手消費者金融ですら返還に対応しきれなくなっており、過払い金返還を渋るようになってきています。この傾向が今後も続けば、過払い金がとれなくなる可能性があります。さらに、2010年6月には年収の3分の1を超える貸付が禁止されましたで、借入を繰り返して返済をしていたようなケースでは、支払い不能に陥る多重債務者が増加することが予想されます。
このような傾向から、今後は自己破産件数が増加するかもしれません。